今回は元銀行員でFP2級を保有しているShunta学長が執筆します。
投資の世界で人気のある二つの金融商品、投資信託とETFについて解説します。
投資の初心者から経験者まで、これらの商品を理解し、賢く選択するための基本的な知識を提供します。
新NISAが2024年から始まりますね。
つみたて枠で投資信託、成長投資枠では投資信託もETFも購入できます。
2023年末までのNISAでもETFは対象でしたが、あまり聞き覚えがない方が多いと思います。
それに加えて、この記事を見ている仮想通貨、ブロックチェーンに興味がある方々はビットコインの現物ETFのニュースも目にしていると思います。
今回はETFを聞いたことあるけど、投資信託と何が違うの?って思っている人向けに両者の特徴を明らかにした後に違いをお伝えします。
投資信託とは
投資信託とは何か?
投資信託は、多くの投資家から資金を集め、プロの手によってさまざまな投資先に分散投資する仕組みです。
個々の投資家が単独で行うよりもリスクを軽減し、資金を効率的に運用することができます。
プロに運用してもらうので、手数料はかかります。
投資初心者が自分で高騰する株を選び、運用するのは大変なので、手数料を払って厳選した商品を選んだパック商品を選択し、運用してもらいます。
カウンターの寿司屋でさまざまなネタを職人が握り、お任せコースをいただくようなものです。
自分でネタを仕入れて握るよりも、お金はかかるけど手間とリスクは軽減できますよね。
運用方法
投資信託のパックの中身の選択と運用は、プロのファンドマネージャーが担当します。
彼らは市場の変動を読み、最適な投資先を選びます。
このプロセスは、まるで一流の職人が食材を選んで美味しい料理を作るようなものです。
投資信託の大きな利点は、これにより分散投資が可能になることです。
つまり、投資リスクを「一貫」に賭けず、さまざまな「料理」に分けることができるのです。
基準価額
投資信託の売買のために参考にする投資商品の価格は基準価額で判断します。
投資信託の1口あたりの価値を示すものです。
基準価額は1日の終わりに相場が終了した後にのみ計算されるので、常に動くわけではなく、1日に1回しか変化しません。
手数料とコスト
投資信託には、運用に関する費用が伴います。
これはレストランでサービス料を払うようなもので、ファンドマネージャーのスキルやサービスの質に応じて変わります。
手数料は、購入時、保有時、売却時に発生する場合があり、これらは投資の成果に影響を与える重要な要素です。
購入時手数料(販売手数料)と解約時手数料(信託財産留保額)は無料(ノーロードという)なものが増えているが、保有時の手数料(信託報酬)は基準価額から引かれています。
インデックスファンドとアクティブファンドで手数料は変わります。
手数料の構造は複雑に感じるかもしれませんが、基本的にはレストランのメニュー価格にサービス料が加わるのと同様です。
インデックスとアクティブの手数料の違いは、マニュアル通りの接客をする店よりも臨機応変な接客で感動を与えてくれる店の方がサービス料が高いのと同じです。
ETF(上場投資信託)とは
ETFとは何か?
ETFは、市場指数に連動し、株のように証券取引所で取引される投資信託です。
証券取引所に上場している投資信託なので、上場投資信託と言われます。
ETFはExchange-Traded Fundの略です。余裕のある人は覚えてみてください。
ETFは、株式市場の一員ですが、普通の株とは少し違います。
これらは投資信託であり、その特徴は証券取引所で株のように取引されることです。
運用方法
ETFの多くは市場指数、例えば日経225やダウ・ジョーンズ工業平均など、特定の指標に連動するインデックスファンドです。(特定の指標に連動する運用をパッシブ運用という)
これは、ある特定のレシピに従って料理を作るシェフのようなものです。
市場全体の動きを反映するため、リアルタイムで価格が変動し、流動性が高いのが特徴です。
投資信託と同じでプロによる分散投資で運用されます。
市場価格
ETFの場合は、売買するときの参考となる投資商品の価格は、市場価格で判断します。
これは株と同じように常に市場の取引量に応じて価格が変動しているためです。
しかし、株とは違い投資信託ではあるので、基準価額も存在します。
株と投資信託の合成物のようなイメージですね。
コスト
ETFは一般的に、管理コスト(経費率)と取引手数料が低い傾向にあります。
これは、大量生産された商品が比較的安価であるのと似ています。
ETFは基本的にインデックスファンドなので、手数料が安く抑えられます。
投資信託とETFの違い
1. 取引の柔軟性
投資信託とETFの最も顕著な違いは、取引の柔軟性にあります。
ETFは株式のように証券取引所で取引されるため、市場が開いている間はいつでも売買できます。
これは、スーパーマーケットでいつでも買い物ができるようなものです。
一方、投資信託は日々の市場終了時の価格(基準価額)で取引されるため、一日の終わりにしか価格が設定されません。
これは、日替わりのスペシャルメニューが夜にしか注文できないレストランのようなものです。
2. 運用管理と透明性
ETFは主にパッシブ運用で、特定の市場指数に自動的に追随します。
一方で、投資信託はしばしばアクティブ運用が行われ、ファンドマネージャーが積極的に資産を管理し、市場を上回るリターンを目指します。
しかし、それは同時に大きなリスクになります。
投資初心者の場合は、大きなリターンを狙ってアクティブファンドを選択するよりも、インデックスファンドで運用することをおすすめします。
まとめ
投資信託とETFは、どちらも投資の世界において非常に重要なツールです。
それぞれ独自の特性と利点を持っており、投資家が市場に参入する際の選択肢を広げています。
適切な投資ツールを選ぶためには、個々の投資目的、リスク許容度、そして市場へのアクセス方法を考慮することが重要です。
投資信託はより管理されたアプローチを提供し、アクティブな運用で市場平均を上回るリターンを目指すことができます。
一方、ETFは市場の動きに連動し、低コストで流動性の高い投資オプションを提供します。
あなたの投資戦略は、これらの特性を考慮に入れ、個人の投資目標に合わせてパーソナライズする必要があります。
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